2016年4月9日土曜日

たまにはカメラの話など

青年海外協力隊は、一般の乗客と同じ飛行機に乗り、同じ条件の中で荷造りをするので、現地で生活するには持参できる荷物は決して多くない。服や身の回りの荷物をギリギリまで減らして、カメラと周辺機器を優先した。

電子機器の類で手荷物は軽く重量をオーバーしているのは承知していたが、何食わぬ顔で手荷物検査をくぐるつもりであった。
エミレーツ航空の重量チェックは厳しいと言われていたが、それを無視したのが悪かった。
 重量オーバーを指摘され、荷物を整理して搭乗にこぎつけた。
あまりの必死さと慌てぶりが、係員の同情を買ったのかもしれない。若干のオーバーは大目に見てくれた。

そうまでして、任地に持ち込んだ機材を紹介したい。

 メインカメラ


Canon 5D Mark


機材で言い訳をしたくなかったので、できるかぎり良い物を手に入れたかった。
いいと思う写真を撮る人の多くも使っていることも理由だった。
これでいい写真が撮れなければ、ぼくの腕が悪いということになる。実際に腕は悪いが…

暗い場所でストロボを使わず、ISO感度を上げての撮影でもあまりノイズが気にならない。
AFの点数が多く、今までは中央1点でフォーカスロックをしていたのだが、AFポイントを移動させるスタイルに変わった。
フォーカスのミスや手ぶれ写真はまだまだ多いが、それでも今までよりふどまりは良くなったように思える。
そして、いろいろな設定が、外側のボタン操作で変えられるのは使いやすい。以前使っていた入門機やミラーレスもそうだが、設定を変えるのに、一旦撮影メニューの中に入って操作をするのが面倒に感じる。
あとは、大きくて目立つカメラだと、いかにも撮っている、撮られている感覚がある。これは良し悪しはあると思う。
 防塵防滴なので海沿いでも気にせず使用している。ぼくはカメラの扱いが雑な方なので、頑丈なのは有難い。ガーナの子供が砂だらけの手で触っても安心、ただ、レンズとファインダーを触るのはやめてほしい。
難点は、大きくて重いことに尽きる。初めは、至る場所に行くにも持ち出していたが、最近ではミラーレスが気軽な持ち出しカメラにとって代わりつつある。

 
ISO(光感度)12800の一例
手ぶれだけでなく、被写体ぶれも多くシャッタースピードは速さを保てるように設定している。
そのため、ISOの高い写真が多い。
シャープさは損なわれているが、許容範囲
これだけ薄暗い、というよりも真っ暗な時間になっても、小さい子が一人で歩いているガーナは日本よりも安全な部分はあると思う


持参したレンズ


 EF24-105mm F4 IS USM


上記カメラのキットレンズ。105mmまでの望遠域と手ぶれ補正にひかれた。撮影の90%以上を担っている。
画質に不満はないものの、より明るいレンズが欲しくなってきた。これもサイズと重量がそれなりにあるので、どうせなら…ということでEF24-70mm F2.8L II USMの買い増しを検討中。重さや大きさに不満があるのだろうという、不満を見事にすっ飛ばしている。
だが、気軽に手を出せない価格と手ぶれ補正無し、現地では入手不可という条件が購入を踏み留めている。

説明と共に、使用した機材の作例みたいなものも載せます
このレンズの良さは、バランスだと思う
焦点距離、F値、サイズ、性能
いつ何時、魅力的な被写体に出逢うかわからないから、カメラはできるだけ持っていたい
突発的に対応できるレンズを付けていたい


EF70-200mm F4L IS USM


Canonのフルサイズ機を所有ならば、ぜひ望遠の白いレンズの1本は所有したい」というわけのわからない考えと、手ごろな重量と価格、描写性能から購入。
10万円を超えたこのレンズを「手ごろな価格」と評してしまうほど、レンズの世界は金銭感覚がマヒしてしまう。恐ろしい。
展示会や、ショールームで試し撮りをしてさんざん悩み、よりランクの上のEF70-200mm F2.8L IS II USMとの二者択一で店舗にて購入の相談。
結局店員の「本当に重いから(約1.5kg)、撮影対象が特定されない旅行などの用途では、持ち歩かなくなる。」との忠告を受け、上記の品を購入した。
同品も十分重く(670g) あまり望遠での撮影機会がないこともあり、使用は少ない。本当に忠告を守って良かった。
スポーツの撮影などで使用。時おり室内で、「もっと明るさ(F値)は欲しくないかい?」と悪魔の囁きが聞こえる気もするが、空耳と思って無視している。

夕方サッカーの練習をする少年たち
自分のやるべきことに真摯に取り組んでいる人の姿は絵になる
もっと望遠域とか、シャッタースピードを稼ぎたいから明るいレンズが欲しいとかになると大きさと重さとお値段の3重苦が伴う



EF100mm F2.8Lマクロ IS USM


草花やテーブル撮影などの近撮で威力を発揮する、マクロレンズ。
実家の庭先に咲いた花が撮りたくて購入した。
100mmという焦点距離が中途半端なこともあり、ガーナにおいては、持ち出す機会は少ない。
ただ、立体感やクリアな絵を見ると、感心するほどの描写力。
美しい花など咲いていれば、じっくり撮影したいのだが…
一時帰国する機会に間違いなく共に帰国させ、再度ガーナには連れて来ないつもりだ。

シャープでクリアで何かキレイな感じのする写真が撮れる


実家の庭のバラの花
花を始め基本的にモノの撮影は下手
実家近くの蜂の巣
レンズの性能的にはもっと近づけるが、怖くて無理だった

EF50mm F1.8 STM                    


所有レンズの中では最も安価であるが、最も開放F値の明るいレンズでもある。
コンパクトで取り回しは良いが、フレキシブルな対応が求められる海外での撮影、じっくり撮るという感じではない現状は、標準の単焦点レンズは向かないのかもしれない。
50mmという焦点距離も室内では狭く感じてしまう。
ただ、他のレンズが軒並み大きく重いことから、とりあえずカメラを持って出かけるかといった気分の時に付けることがある。
普段が手ぶれ補正機能の付いたレンズに頼っているため、ブレた写真を連発してしまうが、画質も良いので、失敗しなければオッと思えるような写真が撮れる。

そのオッと思った写真
解像度、ピント、光そしてそれ以上にこの女の子がステキだ
こういうのを自己満足っていうんでしょうね
あとは構図に工夫の余地ありってとこかな


正直なところ、現在、これだと言えるような、レンズを探し出せない


 以上のレンズ群は、某サイトで紹介されていた「アリア式」というシステムを参考にしている。
標準ズームはしっかりしたものを選択して、望遠ズーム、大口径、マクロといったラインナップを加えれば、一眼レフの醍醐味が味わえるというシステムだそうだ。
ただし、「アリア式」は特別な撮影目的がない場合に合理的とされている。
ぼくは、海外、人物撮影を中心としているので「アリア式」ならぬ「ハセガワ式」が必要だったのかもしれない。

現時点では、上に記したEF24-70mm F2.8L II USMとともに、広角ズームのEF16-35mm F4L IS USMも視野に入れている。こちらでよくあるワーッと子供が集まったような構図の場合、最広角24mmでは入りきらない。
ただ、ぼくはそういった写真があまり好きではないので購入する必要はないかなと思いつつ、室内や風景などで、あればなあと思うことが結構ある。
EF 24mmF2.8 IS USMEF 28mmF2.8 IS USMの単焦点も、付けっぱなしの常用として悪くはないが、IS(手ぶれ補正)は必要ないのでより小さく、安ければと思っている。


ストロボも持参した


Canon スピードライト 430EX                                                                                                                      


今までは、カメラのISO感度に頼った撮影を続けてきた。
最近では結婚式などの室内のイベントで使用しているものの、まだうまく使いこなせていない。
このストロボを使用する時はハクバのクリップオンストロボディヒューザーという、ストロボの光を和らげて、自然に光が当たっているように見せることができるとアイテムを取り付けている。

人物が真っ暗に写ってしまうような、逆光時の撮影にも効果を発揮する
ともっともらしいことを言っているが、まだ使い方がよくわからない
使い方がわからんまま、わけのわからない子たちの、わかのわからんポーズだから、結局わけのわからん写真になってしまう



サブカメラ


FUJI X-A2


フジフィルムのレンズ交換式カメラの最廉価機。レンズはキットのXC16-50mmF3.5-5.6 OIS Ⅱを装着。気軽に撮ったり他人にシャッターを押してもらったりなどの目的で海外にはもう少し小さいカメラも持って行っている。
室内で自分を撮影できる用に液晶が反転するタイプを選んでいる。
実際は、自分を撮る機会は少ないが。
小型で高機能と液晶反転の三点を求めると、なかなかこれだといった機種が見つからない。
ぼくのように「サブカメラジプシー」となって、様々なメーカーや機種をさまよっている人もきっといるに違いない。

二本松での訓練時の最後の週末に、当時使用していたPanasonic GF7の液晶を気づいたら破損していた、という悲惨な出来事があった。
酔った際にぶつけてしまったと思われ、お酒とカメラの相性は良くないという通説を実感した。
出発まで時間がなかった為に、急いで購入に至ったが、急いで修理に出せば間に合ったと思う。


こちらはAPS-Cのセンサーサイズのため、ミラーレスの入門機といえどそれなりの大きさがあり、特にレンズがデカい。
そして、ここぞという際には一眼レフを持ち出すため、帯に短し襷に長しの、非常に怪しい立ち位置であった。
しかし、一眼レフのあまりの重さと大きさに持ち出すのが億劫になり、職場での記録や気軽な人物の撮影などではこちらを使用する機会が多くなった。
しかも、オートで撮って補正、修正なしでプリントしても十分などころか、下手に自分で色をいじるよりきれいに仕上がるほどレベルが高く、同僚にも評判が良いなど、なかなかトホホな結果になっている。

フルオートのモードで無補正、それがこのカメラの用途にあっている気がする。
発色も良い。
ただ、動体はかなり撮りづらい。


Panasonic LUMIX DMC-CM1


コミュニケーションカメラなる名で、2000台限定で売り出された迷品?逸品?
スマートフォンに興味のなかったぼくが、これなら欲しいと予約までして手に入れたアイテム。
メーカーのカテゴリーとしてスマートフォン機能を備えたデジカメということで、店舗での扱いも携帯電話でなくてカメラ売り場であった。
SIMフリーのためガーナでもメインの携帯電話として使用しており、カメラと電話の使用用途は逆転している。
ハイエンドコンパクトカメラにも搭載される1インチセンサーとレンズはライカとは名ばかりのパナソニック製のDC ELMARIT2.8
Instagramに載せている写真は(今のところすべて)これで撮影。


先日、勝手に紹介したキャンペーンガールの別ショット
この写真も無補正
ある程度の白飛びは仕方ないけど、ややこしそうな光の中でかなりきれいに撮れていると思う

ガーナの数少ない良心、ヤギと鶏の串焼き
この写真を見て、何故かラオスの焼き鳥(これが美味しい)を思い出し、食べたくなった
食べ物の写真は撮る方ではないけど、記録用の写真とかサクッと撮るのに良い


プリンターも持参している



写真は撮影し、プリントしてこそ価値があると考えて、プリンターも日本から持ち込んでいる。我ながら変なことに一生懸命だ。

Canon PIXUS iP110


訓練所内でのプリンターの使用時間の制約により購入、現地にも持参するつもりでコンパクトなものを選んだ。英語の先生に渡す写真の印刷や、授業で使用する資料の印刷に活躍した。
ガーナでも写真を印刷して人にあげたりしている。
一時期、写真の催促があまりにも増えた上、インクが見る見る底をつきそうになり、自粛していたので、日本から交換インクを送ってもらった。
しかし、撮り手である自分の存在以上に、カメラとプリンターのセットはかなり現地で重宝されている。
しかし、プリンターは現地で購入もできるし、海外だと互換インクの入手が困難なこと、コンパクトタイプとはいえの重量は持ち込み荷物の制限が厳しい中、かなりの負担であったことから、持参する必要はなかったかもしれない。


Fujifilm mobile printer Pivi MP-300


一般にはなじみの薄い商品だが、デジカメと接続してチェキサイズの写真が印刷できる小型プリンター。
pictbridgeirsの赤外線に対応。
当時使用していた一眼レフがそのメーカーにとって最初で最後の赤外線搭載機で、他のモデルもpictbridgeに対応していなかったので、カメラを買い替える際にはマウントを乗り換えるつもりであった。(当時は5年くらいは使うつもりだったんだけど欲が出てきてしまった)
持ち運びできる大きさなので、海外旅行には必ず持参していた。現地の人を撮影して日本語で名前を書いてあげたりしたのが高じて、今の自分があるといっても過言ではない。
すでにディスコンのため、ヤフオクで買い増しをした。フィルムも製造中止になってしまっており、最後に買いあさった分がなくなってしまうと、本体は無用の長物化する。
スマホでチェキというアイテムが実質的に後継機になっているが、こちらはスマートフォンとフジフィルムの一部の機種でしか使用できなく購入には至っていない。
ただ、ガーナのピラニアかハイエナかとごとく集まってくるガキンチョを前にこれを取り出す勇気は今のぼくにはない。本当に骨まで食われそうだ。

大きなお世話ながらおすすめのタイプ


海外に持参するカメラを考えると、頭が痛くなるほど結論がでない問題で、今でも白髪が増えるくらい悩んでいる。

どんなカメラがいいかとなると、きれいな写真を撮りたいという思いがあれば、それを最も端的に可能にする、一眼レフをお勧めしたい。
一眼レフの入門機であればミラーレスや高級コンパクトよりもリーズナブルに購入できる。
それに、明るい野外ではほとんど液晶が見えないので、ファインダーのあるタイプの方が使いやすい。

一眼レフは、重いし、大きいし、ちょっと…というのであれば、レンズ交換タイプでも一体型でもなるべくセンサーサイズの大きいカメラを買った方が良い。背景をボカした写真を撮りたい場合、大きいセンサーは必須だし、暗い場所でもノイズの少ない写真が撮れる。

それほど枚数が多くなかったり、気軽に撮影したいのであればスマートフォンで十分かもしれない。


特にiPhoneなどは廉価なコンパクトカメラの画質を凌ぐと云われ、動画の評判もかなり良いらしい。ぼくなりの理由であるが、iPhoneの画像処理が上手なこと、ディスプレイが優れているため、そう見えると考えている。
実際iPhoneで撮った写真はパソコンで見るとクソ、などという書き込みも目にする。

メインはサブはレンズはどーするバッグはどーするなどとなると、本当にハゲるんじゃないかと思う位悩んでしまう。カメラが趣味の人にハゲが多い気がするのはそれも原因かもしれない。

悩みすぎて本当にハゲてしまい、悩みの種が増える悪循環に陥った哀れな中年男性