渡航前のしおりに
「日本と異なる環境で生活するのは承知のはずです」と但し書きがある。
承知の上だからこそ、持って行きたいものが増えるのだ!
ガーナの場合、訓練終了から出発まで期間がなく、心の準備、物質的な準備がままならず、家族や知人との別れを惜しむ間もなかった。
同様の被害者とその家族を減らせればとの思いでこれを記した。
ガーナは製造業が未発達で、輸入品が多く、低品質なものが割高に売られている。
日本のファストファッション、100円ショップ、家電量販店やディスカウントストアの値段が異常なのかもしれない。
輸入品は中国のメーカー、製品、一部は韓国製品。日本に関するもの、質の高い物、高級品(あっても恐ろしい値段がする)、便利グッズや機能性の高いもの、特殊な品はないと考え、それ以外であれば、何かしら手に入る。
買うと言っても、家にあるものを買い直すのは悔しい。
それに、日本製品に慣れると品質面で不満が出る。
日本から送ってもらうとしても、行く前と後では、必要と思うモノが変わる。
しかも送料が高いので、必要になるかもしれないモノをあらかじめまとめ、落ち着いてから指定して送ってもらう。
モノなど必要ない、全て燃やしてしまえ! 何ならボウフレも燃やしてしまえ! このような小さな子に火の番ができるのだろうか。 |
何が必要で不必要か
器となる鞄類
スーツケース
経験者は語る。鍵付きでもナンバー式でも、ハードフレームの頑丈なスーツケース、これ一択。
中に、大事なものを入れ常に鍵をかける。
エスパー伊東が中に入って、出てこれそうなものは避ける。
もしくは映画の007でジェームズ・ボンドが身長が1m位の男をトランクに閉じ込めるシーンがある、そいつが出てこられなさそうなものを考えて選ぼう!
バックパック
国内移動にも使うので、少なくとも2~3泊分の荷物が入りそうなもの。中に入ったエスパー伊東が出てこれず、ネタ失敗で「ハイ~」と言わせしめるものを用意しよう!
普段使いのバッグ
ちょっとした外出や普段の仕事使いなど。現地にもあるが、あまりに安価なものはすぐジッパーが壊れ、生地が破ける。
実際にカメラのレンズキャップを、壊れて閉まらなくなったジッパーの隙間から落としたと思い、近所のおばさんや子供に聞いて回った挙句、実は自分のポケットに入っていたという、言いがかりもはなはだしいエピソードがある。
エピソード2を生まないために、「失くした!」と焦る前に、自分の周りを良く探そう!
衣類
ほとんど持参せず、後日送ってもらった。
アウトドアブランドの丈夫なものがお勧め。
現地で買う場合、市場にある古着でないと、結構な値段がする。
隊員同士のフリーマーケットもある。が、ぼくはそこでの戦利品はすでに全部捨てた。その程度だと思ってあまり期待しないこと。
靴
ブーツとサンダルのみ持参したので、すぐにスニーカーが欲しくなった。
良い靴を手に入れるのは難しく、日本ではその半額程度で入手できるであろうアディダス、プーマのメーカー品は1万円を超える。
日本食
現地食を食べてこそ協力隊、なくても大丈夫、とタカをくくっていたが、大間違いだった。お恥ずかしい話だが、予想以上の味の単調さと量の多さ、脂っこさに参ってしまい、今では現地食はほとんど食べない。
かつおぶし、だしのもと、ふりかけ、海苔、たらこなどパスタのもと、インスタントの味噌汁など軽い物を持って行くか送ってもらう。
薬、化粧品、衛生用品、洗面用品
薬は箱や瓶から出して、ジップロックに入れ、スペースと重量を節約する。
整腸剤やビタミン剤、特に日焼けと気休めでも二日酔い対策にビタミンCはマスト、多すぎるくらい持って行く。
オロナインのような万能薬は便利、虫刺されの薬(虫よけは入手可)、化膿止めや消毒系。バンドエイドや傷パワーパッドも大目に。小傷を始め皮膚に関するトラブルは多い。抵抗力の低下のためか、かかったことのない病気にかかる。
マスクは、暑いし使う機会がないが、車で埃っぽいところを走るときや乾燥のひどい地域では使うかもしれない。
必要な物を厳選する。
最悪パソコンと周辺機器だけで十分。それと電子辞書。
むしろ、現地の人と同じレベルで生活をする覚悟で、PCを持たない骨のあるところを見せてほしい。個人的には無理だが。
ぼくはLANケーブル(コネクターを見たことがないので2年間使わないだろう)コード類、モバイルバッテリー、プリンター、エネループなどを持参したが、モバイルプリンターに至ってはいまだに一度も使用していない。
停電が多く電力も安定せず、本体よりも充電器やコードが故障しやすい。変圧器を持参するか、スタビライザーを現地で調達した方が良い。
現地の延長コードやタップは各国の物が使用できるが、安いものは、差込口が緩く、すぐ壊れる。
ほとんどの電化製品は日本より割高だが、携帯電話の類はあまり変わらない。低スペックのスマートフォンなら1万円以内で購入できる。
SIMフリーの携帯電話、スマートフォン、Wifiルータは持っていれば持参すればよいが、現地でも購入可。
現地へのお土産
ガーナでの場合100円ショップやホームセンターに売っているものでOK。手ぬぐいなど。菓子類も人気。荷物のスペースと重量に余裕がなければ免税店で入手しても良い、ただし高い。
ボールペンはBIC社製品などが売っているが、日本メーカーのクオリティの高さを実感する。自分で使う分も含めて余分に持って行った方が良い。(BICのボールペンは使ったことはないが、髭剃りを使ったことがあった。あまりの剃れなさと肌の痛さに、BICのキャラクターになっている小僧の頭を弾き飛ばしたくなったほどだ。)
写真も喜ばれる。現地の人を撮影する機会があれば、プリントして差し上げよう!(2Lサイズほどで、2~3セディ〈60円から100円くらい〉)ただ一度あげてしまうと、それが波及して頻繁にねだられ面倒になる。
本
重量があるので、極力減らす。持って行くなら職に関するもの。趣味の本はドミトリーにある。語学の本もあるが、ほとんどは付属CDが紛失している。
工具類
仕事で使う確証がなければ必要ない。重いし、現地で手に入る
ただ、現地の包丁を始め、はさみなど刃物類は、切れ味が悪い。十徳ナイフなどマルチツールは便利。
職種に関するもの
ぼくは品質管理・生産性向上という仕事で、道具は必要なのか、現地で入手可か見当がつかなかった。
測定具を持参したが、使用機会はない。
モノに縛られると不自由になる。
必要最低限のモノで生きる人がうらやましい
ぼくはとてつもなく不自由な人間だ
ぼくはとてつもなく不自由な人間だ
活動を終える時、そこに変化はあるのだろうか
多分、ない。
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