石畳の敷き詰められたコロニアルな街のトリニダードを南下すると、カリブ海に突き当たる。
冴えた群青色のビーチはどうやら外国人向けのものらしく、濁った色をした入江には多くの家族連れが訪れており海水浴場のような賑わいであった。
日が傾き赤く染まった海に浸る姿はさながら沐浴のようだった。
海の青さは平等でなかったかもしれない。
だがキューバにおいてのカリブ海は、澄んでも濁っても聖なる河であるインド人にとってのガンジスに等しい。
これらは全ての種類を超えた生と性を超えた存在を包み、また飲み込む存在でもあるのだ。