2016年5月10日火曜日

青年海外協力隊員の任国外旅行と一時帰国制度

青年海外協力隊員は年間20日を限度に、自費であるが受け入れ国外への旅行が認められている。
これが会社であれば、定年まで働きたいくらいの恵まれた条件だ。
ただ、渡航先が数か国に限られるか、英国のみの条件付きだったら考えも変わる。
それが、任国外旅行制度で、いくつかの近隣諸国と、国によっては旧宗主国を含んで、日数の中であれば何回行ってもいいし、目的も自由だ。
赴任期間中、一度であれば日本に帰国もできる。

一応、ガーナ隊員の行ける国はブルキナファソ、コートジボアール、リベリア、マリ、トーゴ、英国と魅力的な国々がラインナップされている。
しかし、英国以外は安全上の問題から渡航が禁止されている。
同じような理由で行けるのが1か国か、またはどこへ行くこともできない国があるのだろうか。

木を頭に載せて運ぶ人たち
まだまだ、木の枝や、ココナッツの繊維を燃料に炭で火をおこす家庭も多い
海外という言葉通り、この海を越えればどこかの国に行きつくのだ


もともと自らの意志で海外に発った人なのだから、他の国に行きたくてウズウズしている人は多いはずだ。

遊びでないのだから、旅行などにうつつを抜かすなアアアアア!!!
と言われるかもしれないが、日本にいた時に行っていた旅行とは違った意義がある。
隣国を観察して任国と比較したり、文化の違いや共通点を発見したり、異なる観点から任国に接する機会になる。
正に修学旅行という言葉がふさわしい。
同期の隊員を尋ね、再会を喜び、お互いの現状を話し合ったり、そこから刺激されることもある。
迎える側も、違う国から隊員が来てくれたら、嬉しいはずだ。
旅行が全てではないが、活動に役立てられることはいくつもあるだろう。

自宅から車で1時間程度の場所にある水上村まで行くボート
岸から村までは手漕ぎのボートであれば1時間はかかる
辺鄙な場所に住むのは、水上村の住人はマリから逃げてきた人たちなので、簡単に人が来れないためといったような理由らしい


ガーナ隊員の英国しか行けないのは何とかならないものだろうか?
折角だから、英国は来年行くつもりだが、時間さえあれば日本からも行きやすい国だろうし、航空券もガーナ発着よりも安く入手できる。
もっと行ける国が多ければ、日本へ帰らずそれらの国を訪問するはずだ。
それが叶わないし、不本意ではあるが、一年足らずで一度日本に帰国することにした。
2年間は日本には帰らないつもりだったし、きっと周りもそう思って送り出してくれたことだろう。
それがすぐに音を上げて、ノコノコ帰国し、温泉に入り、日本酒を呑みながらうなぎを食べていたのではきまりが悪い。
自宅で厚揚げをほおばっていれば許されるわけでもない。


ただ、食の苦労は峠を越えたようで、来て3カ月位の時は現地の食べ物が口に入らず、ダメかも?と思ったが、自炊の甲斐あってか、今は異常な食欲に悩まされている。


何が何でも帰らないというポリシーもあっても良いけど、ぼろぼろになって活動を続けるなら、帰国でリフレッシュしてモチベーションを回復させた方が、良い結果がだせると思う。
帰るのではなく、外国人が日本に行くという趣で、異国からの目線でとらえ、良い悪いも認識を改める。きっと、今まで気づかなかったガーナの良さも見つかるだろう。 

国境付近の市場にいた女の子
親の商売を手伝っていた

自宅から車で10分程度走ると、コートジボアールとのイミグレーションに着く。
川岸から近くて遠い国を眺めては、渡ることのできないもどかしさを感じる。
国境が家族や大切な人とを、離れ離れにすることもある。
現状から逃れ、新境地を求めて祖国を離れる人もいる。
命がけで厳しい目をかいくぐって、国から逃れる人もいる。
日本にいると普段意識しない国境が、深く重い意味を持つことも知る。

オンザボーダー
ぼくのするべきことは…


近くの免税店でハイネケンを買うことだ。

2016年5月6日金曜日

目立たないための対策

海外で身の安全を守るために目立たないことは重要です


これは外見や日常での立ち居振る舞いや言動に関してであって、活動は現地の人が主役で、ぼくたちはそれを支える側と言っても、そこでは目立つ存在であった方が良い。

しかし、外国人である上、人種が違う、肌の色が違うのは、そのつもりはなくても目立つ。
来る前は、アフリカといっても、少しは白人がいて、そういった女性と出会い、恋に落ち、結ばれるような展開を期待しないわけでもなかった。
しかし、外国人旅行者や居住者も想像以上に少ないことは若干落胆したが、それならばガーナの女性でもと思ったのだが、今のところ何もないまま平穏無事に生きている。

色恋を前提として生きているわけではないが、海外では非日常が日常になる。異国でのロマンスを受け入れるだけの度量も必要だと思う。
ただ、日本でモテなかった奴が、外国にいっていきなりモテモテってことがないということは判ってきた。

目立つことはけしからん!ので目立たない工夫を試みた


ぼくは恰好から入るタイプなので、ガーナ人が着ているようなシャツを着た。
髪型は、現地の男性のようなパンチパーマかニグロパーマが望ましいが、天然パンチだらけのこの国で、パンチパーマをあてるややこしいことはしないのだろう。できそうな店が見つからなかった。
仕方がないので、帽子を被って髪の毛を隠すことにした。
一番の問題は、肌の色だが、いくら黒くしたいと言っても限界はあるし、皮膚がんも心配だ。
なるべく、顔が隠れるように色のついた眼鏡をかけ、若干ひげも伸ばした。

抜かりはないはずで、いつもよりは目立たないだろうと思ったが、いつも以上に見られている気がした。
歩いているときも車に乗っていても、間違いなく視線を感じるし、声をかけられる頻度も多かった。
職場の女性からは、写真を撮られた。

ぼくは、自分の姿を消そうとするあまり、装飾が過剰になり、人の眼をひいてしまったのだ。

かえって目立っているのは重々承知の上である。
だけどいつか、その分別が本当につかなくなりそうで怖い。
一応仕事している感をわざとらしくアピール
実際はノギスのメモリが見えていない

言うまでもなく、これで現地人に同化したとは思わない


これで自分の姿を消したと思っているならば、頭がおかしくなってしまったのだろう。

しかし、外国にいると少しづつ日本にいた時と感覚が変わってくる。
身なりのセンスがないのは元々なのだが、そこに拍車がかかっている。

変わった格好をして人の気をひこうという考えはさすがになくなったが、何をしてもモテないので自棄になっている気はしないでもない。