ハバナに到着した
今回の旅はキューバの東部の都市オルギンから入った
出国する便がハバナ以外見つからず、ハバナinハバナoutでは効率が悪くなるのでなるべく東側から入れる便を探した
そして、さらに東側のサンティアゴデクーバまで行った後は旅行者が利用する長距離バス(Viazul)を使って、西へ向かいながらできるだけ多くの街に立ち寄る
それがこの旅の数少ないテーマであり計画だった
首都ハバナはゴール地点だった
正直なところ、達成感よりも旅の終焉が心を暗くさせた
トリニダード、シエンフエゴスあたりから首都、都会に近づいている印象を受けたが、やはりハバナはその他の都市をはるかに凌駕する規模だった
他の街であったら、それぞれの地に足跡を残したという自負を持って旅を続けていた
しかしここでは表面をフワフワと浮いているようだった
どこか人々との距離が遠く、懐に入っていけないのだ
そんな打ちひしがれた気分でいると、日の沈んだ街に澄んだ眼をした少女が佇んでいた
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すでに日は沈みカメラのフォーカスを合わせるのすら難しい状況だった |
彼女も物悲しい雰囲気を漂わせていた
ぼくたちはお互いの孤独を共有できたのかもしれない
だけど彼女の美しさはぼくを畏怖させた
それが余計に寂しさの度合いを助長させるのだった