2015年5月18日月曜日

キューバ旅行記13豚の一生~バヤモ

     朝方、鉄道駅周辺を探索していると豚の解体現場に出会った。
    それを撮影していると、後方の男の子が異常におびえた目つきでこちらを見ていた。
    まだ少年は豚の解体を見慣れていないのだろうか。それとも、こんなおぞましい光景を撮影する東洋人が奇特に見えたのだろうか。




     昼前に線路沿いの側道で先ほどの豚に再び出会った。
    豚は機械でぐるぐると回転しながら、直火でこんがりと丸焼きにされている途中だった。
    豚の体からしたたり落ちた脂が煙をもうもうと上がらせていた。


    そして、午後に同じ場所を通ると、ちょうど豚が焼き上がったところであった。
    この後豚は男の手によって切って売られて人々の胃袋を満たす。
    この旅行中、更には日常的に豚肉が何の苦労もなく手に入れられるのもこのような人たちのおかげということを目の当たりにし、命を頂いているということも忘れてはならない。

     ということよりも、写真のお礼、とおじさんが分けてくれた丸焼きがおいしかったという浅ましくも単純な感想で占められていた。
    なにしろ焼きたてだけあって皮がパリッとしていて、その周りの肉が口の中で脂と一緒にトロッと溶けて、この旅行中食べたものの中でダントツ一番なのは間違いなかった。
    もっと買って食べればよかったと今でも思うくらいだ。

    しかしながらこの豚も食べられることで、ぼくの身体の一部となり…ではなくて家畜としての生涯を全うしたのだ。

     「ブタ野郎!」とののしられ続けてきた自分は、自らの身体を捧げたとしても人の心を満たすことができるだろうか?
    ブタ野郎が豚をほおばりながら考えた。


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